マジで?コレどうすんだ?

まったくのド素人が小屋らしきものを作ってみた

台風19号の被害の中ラグビーW杯を開催した意味

チロル地方は台風19号による被害は全くありませんでした。
ご心配おかけいたしました。


同じ県では大変な被害が出ている地域もあり、今でも懸命な復旧作業をしておられます。
どうか1日も早く日常を取り戻せますように心よりお祈りいたしております。


という前記事が、

muragonのダッシュボードに反映されなかったようで、大変ご迷惑をおかけいたしました。
心配をいただいた読者の方へ無事を伝えたい記事がダッシュボードに反映されないとか。


いまだに被害の全容も復旧の目処も立たないこの状況で、ラグビーの記事なんて不謹慎に思われる方もいらっしゃるかもしれません。


それでもできれば読んでほしいって記事を記載しましたので投稿させていただきます。

10月13日。夫婦で声が枯れるまで声援を送った。
20分がこんなに長く感じたコトもなかった。


日本に大きな被害をもたらした台風19号が本土を通過した翌日、日本ラグビーは歴史を作った。

4年前のイングランド大会ですっかりラグビーW杯の魅力に取り憑かれた「にわかファン」のチロル家(オレ&親方)だが、4年前を見て悔しい思いをしていただけに、特別な思いでこのスコットランド戦を待った。


大声で応援したし、とんでもなく感動したし、自分なりの思いも書きたいコトもあった。


が、


たまたまイギリスの大手新聞「ガーディアン」の記者が書いた「日本vsスコットランド」の記事を全文訳してくれた人のツイートを読んだ。


涙出た。


もうオレが何かを書くよりこの記事を読んでほしいと思いました。

▲こちらの方が訳してくれてました。
▼元記事はこちら。

以下はTaigaさんが訳してくれた “イギリスの大手新聞、The GuardianのAndy Bull記者が書いた昨日のスコットランド戦の記事の訳です。


こんな状況でバカみてえに浮かれてるラグビーW杯を快く思わない人も多いと思います。
そんな人にも、ラグビーなんてまるで興味ないって人にも読んでいたけたら幸いです。


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黙祷は、1分にも満たない、短いものだった。
しかしそこには、過去に例を見ない状況で開催される、この試合に対する、相反する感情の渦巻き、衝突が含まれていた。
台風がつい数時間前に過ぎ去り、スタジアムの周りは洪水であふれ、救出作業も終わっていなければ、修復作業など始まってすらいない。


その黙祷が、一体誰に向かって、何人の犠牲者へ捧げられたのかは、誰も知る由はなかった。
被害者の数は、未だに確定していなかったのだから。
明け方は4名とされていた死傷者数は9名へ、試合開始時には24名に、ハーフタイムに26名、試合が終わり少し経つ頃には28名へと増えていった。


そんな状況で、彼らは試合を開催するべきだったか。
あなたは疑問に思っただろう。


ラグビー協会はそのことを日曜早朝に話し合い、日本人の組織委員に判断を委ねることを決定した。
なぜこんな状況でスポーツをするのか。なぜスポーツを見るのか。


未だに多くの人が行方不明で、堤防は壊れ、川は溢れ、会場の横浜から東へ16マイルしか離れていない川崎では100万人が避難し、30マイル北に位置する相模原では、土砂災害でなくなった人の、正確な数さえ把握できていない状況で。


災害への一種の清涼剤としてかも、もしかすると、日常を取り戻すためかも、台風に対する挑戦かもしれない。
いや、それ以上、「私たちは今生きていて、少なくとも今ここにあるものは楽しむことを決意した」と言う極めて重要な意思表示の1つとしてかもしれない。


彼らは試合の開催を決めた。


ホスト国としてのプライドもあっただろうが、会議に出席した委員会幹部は、「世界に向けて、自分たちはできると言うことを証明したい」というのが、開催を決定した最たる理由だと、繰り返し主張した。


この会場の被害が甚大でなかった理由の一つは、鶴見川から溢れ出す水を、建物の下へと流す貯水設備の上にスタジアムが建っているからだった。
スタジアム自体が街の災害対策設備の支柱なのだ。
そしてこの試合で、日産スタジアムは、街の『精神的』支柱にもなった。


組織委員たちは、台風が去ったら一刻も早く動き出せるよう、土曜の夜はスタジアムに泊まり込んだ。
明け方には整備班が現地入りし更衣室から水を吸い出し、消防隊は全ての機械設備の点検を3度行い、ピッチに流れ込んだ泥やゴミをホースで一掃した。


同時に組織委員会は政府や地方自治体と協力し、水道局、道路局、バス会社や鉄道会社などの各種交通機関と連絡を取り、複雑な課題を解決していった。


日本ではこのワールドカップにおける『おもてなし』とは何か、と言う議論が活発になされてきた。
私も正確に翻訳することはできないが、この国で4週間を過ごして、漠然とだが理解したかもしれない。
それは、客人を喜ばせるために全力を、いや、何かそれ以上を尽くすということだ。
しかし、彼らの『おもてなし』は、私たちの予想をはるかに上回っていた。


試合前、多くの人が全くの勘違いをしていたのは、そのせいかもしれない。
「日本人はみんな、この試合が中止になり、過去に勝利したことのないスコットランドとポイントを分け合うことを望んでいる」という勘違いを。
中には「日本は故意にスコットランドの妨害をしている」と言う、壮大な陰謀論を唱える者までいた。


スコットランドラグビー協会の最高責任者、マーク・ドッドソンも、完全な勘違いをしていた。
怒りに任せて『巻き添え被害』(ポイントを分け合うこと)に合えば法的措置を検討しているなどと口を滑らせた。
これは日本人たちがどう覚悟を決めたかのプロセスに対する、恥ずべきミスリーディングだ。


黙祷に続いて、日本の国歌、君が代が流れた。


日本人はこの国歌に複雑な思いを抱いており、歌わない人もいる。
そのため大会中、ファンたちに国歌斉唱を促すキャンペーンが開かれている。


この日、会場の多くの人が参加した国歌斉唱は、感動的で、荘厳だった。
選手を鼓舞する歌声が、大きく大きく、街中に響き渡るほど広がっていった。


あの瞬間、あなたは思い知っただろう。
スコットランドが対面しているのは、ラグビー文化を持たない極東の島国ではなく、強大なサポーターを持つ、己の真価を世界に証明しようと言う覚悟の決まったチームだということを。


前半の30分間、
日本は魔法のような、激しく、獰猛で、集中したラグビーを見せた。
次に対戦する南アフリカも含め、トーナメントに残った全てのチームを凌駕するほどの。
スコットランドも善戦したが、より頑強で、より鋭く、より俊敏であった日本に完全に圧倒された。


日本のラグビーファンたちは、今なら何だってできる、どこが相手だって倒せると信じているだろう。
そして、日曜日の夜に彼らが偉業を成し遂げた今、日本人だけではなく世界中の誰しもが、同じように思っている。

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